緑風舎wiki書評
ペルシーレス
セルバンテス/筑摩書房/筑摩文庫/上下2巻/荻内勝之訳
うーん。
出すのは惜しいのだけれど、まあ良い。
セルバンテスの絶筆。
ペルシーレスとシヒスムンダ兄妹の大巡礼奇譚物語。
訳者の文庫版あとがきを引いておこう。
- 「ペルシーレス」はスペインでも読む人が少ない。題名にさえ馴染みがないわけだ。
そんな日本語訳を十五年前に出版した国書刊行会はきとくな会社である。
そしてまた、それをあらためて文庫本で出すという筑摩書房も思い切ったことをする。
「やりましょう」と言った編集部の加藤雄彌さんには内緒にしていたが、
「ペルシーレス」はオリジナルが1617年に出て以来、当初の十年をのぞくと外国語への翻訳はほとんどなく、僕が知るかぎりでは、1830年ごろに英語の抄訳が出たのみだ。
今これを知った加藤さんは営業を考えて真っ青になっている。
キャハハ。
なんのなんの、こんな面白い本はそんなにあるものではないよ。
筑摩の英断に感謝。復刻してね。
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書誌「ペルシーレス」