[[緑風舎wiki書評]] ''わがいのち月明に燃ゆ'' 副題「一戦没学徒の手記」林尹夫(ただお) 筑摩書房/筑摩叢書-267- トーマス・マンに傾倒し、旧三高入学。 更にデュ・ガールへ移り行く中で、学徒動員。 終戦の2週間前、1945/7/28、一式陸攻にて夜間索敵哨戒中室戸沖にて撃墜され戦死。 本書は実兄克也氏により戦後21年を経て編集された、 1940年4月〜1943年夏(18才〜21才)の間の日記・読書ノート・遺稿・小論文集である。 過酷な時代の中で、真摯に生き抜こうとした姿がひしひしと伝わってくる。 ひとり彼だけではなかったであろうが、誇らしく、清々しいのである。 -p171 生をこの国に享けしもの なんぞ 生命を惜しまん 愚劣なりし日本よ 優柔不断なる日本よ 汝 いかに愚なりとも 我ら この国の人たる以上 その防衛に 奮起せざるをえず。 最終飛行には、軍刀ではなく4冊の書物を鞄に詰め搭乗したという。 4-b4604-01267-b [[書誌「わがいのち月明に燃ゆ」:http://k-pj.com/ob/ddata/detail.cgi?df=Rother&dp=4-b4604-&db=01267-b&dn=Fof]]