緑風舎wiki書評

いまは輝かなくとも

朴ノへ(パクノヘ)(朴基平)詩集
影書房/ISBN4-87714-150-2

  • 「朝鮮人の皮」

    私は見た
    ある日の梨泰院イテウオン通りで
    シュミーズのままのか弱い娘を軽々と抱きかかえ
    ジャックナイフでブラジャー、パンティを切り裂いてから
    シャンペンを抜いてぶっかけ
    手を叩いてげらげら笑っている米兵の群れを
    悲鳴をあげ、素っ裸の身をすくめたまま
    蛙のようにぶるぶる震えている小柄な朝鮮娘の痙攣を
    私は、わなわなと身を震わせながら、はっきりと見た
  • 「たんぽぽのように」

    たんぽぽのように生きねば
    たとえ踏みにじられようとも
    鑑賞花として生きるのはよそう
    白百合、真紅の薔薇の華やかさより
    ありふれた花々のなかにさりげなく咲く
    われら、野の花の自尊心で生きねば

朴基平(本名:パク・キビョン)は1956年全羅南道生まれ。1992年国家保安法違反の罪状で無期懲役刑。
1998年8月15日恩赦で無期懲役解除。
ペンネーム:朴労解(老海)(パク・ノヘ)

書誌「いまは輝かなくとも」


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Last-modified: 2014-09-29 (月) 04:57:06 (3494d)